神通寺 住職の日記(旧タイプ)

2014年までの記録保存用です。

ご法事のお呼ばれは「角正」さん。冨永愛ちゃんの土壁も拝見しました。

 今日は、門徒総代としてお世話になったAさんの、満中陰法要でした。
先代のおじいさんにもお世話になったのですが、今回ご法事をおつとめする方にも、たくさんの思い出があります。
 毎月のお参りのときには、夫婦そろって、一緒に阿弥陀経を唱和してくださいました。とてもゆっくり唱和されるので、私もそのテンポに合わせて、ゆっくり、ゆっくり、お仏壇の前でおつとめしました。
 やがてご本人は足腰を患い、連れ合いの奥さんは脳梗塞でリハビリ中心の生活となり、お参りは年に数回となりました。
 それでも、昨年まで、後ろで経本を持ちながら、一緒におつとめをされました。

 亡くなられたあと、当家の仏壇の前で阿弥陀経をおつとめしていると、本当に不思議な感覚に包まれたのです。
 本人は亡くなられ、連れ合いさんはリハビリの身であるのに、まるで、そのお二人が私と一緒に阿弥陀経をおつとめされているかのような感覚を味わったのですね。
 そのとき、ハッキリわかりました。
 わたしのおつとめは、そのお二人のお育ての上に成り立っているのだ、と。
 私がおつとめしていながら、その声をそのまま支えてくださるはたらきを、私がいただいていたのです。
 もっと言うならば、そのおつとめの背景には、ずっと以前に亡くなられた、先代のおじいさんをはじめ、多くの念仏者たちのお育てとお導きがあったのです。
 私の口から出るおつとめは、それだけ多くのいのちのつながりに支えられていたのだということに、あらためて気付かされました。
 これが、本当の「倶会一処」ということなのでしょう。私が死んでから先にお会いするということだけではなく、先人の支えと導きに気付かされたときに、今ここで、お会いすることができるはたらきなのですね。
 おつとめの後、そんなことを、お話しいたしました。
 終わった後は、お振る舞いに呼ばれてきました。高山の老舗、「角正」さんです。
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 亡くなられたAさんのお話しも含め、いろんな話題で宴席は盛り上がりました。亡くなられる数ヶ月前にお見舞いに行くと、「うちの家内は、私の宝物だ」と仰った、Aさんの言葉も紹介してもらいました。そんなことを言い合える夫婦って、本当に素晴らしいなあ、って想いながら聞かせてもらいました。
 この老舗料亭「角正」さん、最近は、挟土組の秀平ちゃんと、モデルの富永愛ちゃんが、個々のお茶室の土壁を塗った様子が、NHKで放映されたので、ご覧になった方も多いかと思います。
 その土壁を、じっくり見させてもらいました。本当にきれいな仕上がりで、素晴らしい壁になっていました。
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 それと、放送には出ていませんでしたが、玄関から上がった先の壁も、冨永愛ちゃんが仕上げたんだそうです。女将いわく、「富永ウォール」を撮影してきました。
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 とても深いご縁をいただいたご法事となりました。