神通寺 住職の日記(旧タイプ)

2014年までの記録保存用です。

京都の西山別院にて、第17期中央実習へ。長島愛生園・邑久光明園への現場実習。

10日から13日まで、京都の西山別院へ。
第17期中央実習のスタッフとして、前日から京都入りして参加してきました。
3年間かけて、年2回、合計6回の研修を受けて、中央教修や地方れんけんのスタッフとして活動していただくための研修会です。
私自身は、これから一緒に「御同朋の社会をめざす」ための活動を担ってくださる方々だと思って、共に参加しています。
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で、今回は、岡山県瀬戸内市にある、長島愛生園、邑久光明園への現地研修を行いました。
入所期間が50年以上、平均年齢も80歳半ばになろうかという入所者たちが、ハンセン病患者隔離政策の中で受けてこられた偏見と差別。
すでに特効薬で病気は治癒し、感染の心配もなくなったのになお、「文化国家の建設のため」という歪んだ大義のもと、数十年にわたり続けられた隔離政策。そしてそれを追認し、差別と偏見に荷担してきた、教団の教学理解や宗教者の行い。
法律が撤廃され、国の責任が認められてもなお、社会に残る差別と偏見は、物質的なカベが取り払われても、心のカベが取り払わなければ解決しないのだということを強く感じました。
 
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ただ、これは一つのスタートでもあります。入所者が受けなければならなかった傷みや悲しみは、残された家族にとっても同様です。また、HIVであったり、原発被害者であったり、様々な感染症患者であったり、そういった人たちへの偏見や差別は、多くの傷みや悲しみを生み出していきます。多くの差別問題の根っこは、つながり合い、リンクし合っているのですね。
だからこそ、そのような心のカベを取り払っていきたいのです。「私さえ、私の身内さえ」という世界観が作り出す大きな心のカベを打ち破ってくださるはたらきに出遇っていく。そのはたらきの中で、私の生きる方向性がハッキリと知らされていく。そのことを大切にしていきたいと思います。