神通寺 住職の日記(旧タイプ)

2014年までの記録保存用です。

古典を読む会、「陽塾」を開催。今月は、「日本国憲法」。

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今月の「陽塾」は、「日本国憲法」を読みました。
62年前に成立したこの憲法、いろんな議論がありますが、
その前に、成立の事情や理念、いろんな背景を学びました。
論議を呼んでいる第9条だけではなく、
他にもいろんな議論の的があるんですね。

改めて読んでみると、そんなに長いものではないし、
すらすらと読めます。
それに、議会の60日規定など、いま話題になっていることも、
ちゃんと憲法に明文化されているんですよね。

憲法は、罰則規定を有する「法律」ではないんですよ。
国家があるべきすがたを規定したものですから、
国民の権利を守るために国家の権力を限定・規定するものなんですね。
あくまでも、私たち国民のためにあるのが、憲法です。

私自身が感じるのは、日本は立憲主義国家ではあるけれども、
実際のところ、ちゃんとした独立国家とはいえないかもなあってことですね。
崇高な理念を持った国家であると同時に、
現実には、アメリカを中心とした核の傘に護られて今までやってきたわけで・・・。
特に、防衛という部分に関しては、本気で話せば話すほど、
私たちの現実を取り巻く「タブー」みたいなものが見えてきたりしてね。

あの「9.11テロ」以来、世界中の世論の風向きが変わってしまいましたよね。
テロリズムという世界的な動きの中で、
日本も国際貢献という形で、自衛隊が海外へ派遣されました。
そこには、憲法の理念とは全く違うかたちでの「圧力」みたいなものがありましたし。

で、もし「憲法の理念に反する」ことを国家がやる場合には、
それによって不利益を被るのは国民なんですよね。
だから、国民としてそれはおかしいのだと声を上げる必要もあると感じました。

ちなみに、国民のいったいどれだけの人が、この「日本国憲法」を
しっかり読んでいるのでしょうか・・・
そういう私も、隅から隅までしっかり読んだのは、今回が初めてだったかも。(^^ゞ